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「やさしい英語のうた」の秘密 〜ヘンリーおじさんが語る制作秘話〜

「ヘンリーおじさんのやさしい英語のうた」の魅力とは、どんなところにあるのでしょうか?

シンプルですぐに覚えられるのに、飽きのこないメロディー?心が弾んでくるような、軽快なテンポ?生き生きとしていて、しかも大人顔負けの表現力を持つ子どもたちの歌声?身近で実用的、時にユーモラスな英語の歌詞?……他にもまだまだあるかもしれませんね。

それでは一体、子どもたちが歌にひきつけられ、自然に歌いだすのは、どうしてでしょうか?魅力的な歌の数々は、どうやって誕生したのでしょうか?

不思議な力を持つCDの秘密を、ヘンリーおじさんにじっくりと語っていただきました。

Part IPart IIPart IIIPart IV
CD制作のきっかけ・ねらい
  1. 小さい頃、歌で覚えたことは忘れない
  2. 「やさしい英語のうた」を、自分で作ろう!
  3. 「日本人の英語」にふれた経験を活かして

1.小さい頃、歌で覚えたことは忘れない

「やさしい英語のうた」は、2001年、「ヘンリーおじさん」として子ども英語の活動をスタートしたときに、企画しました。

英語、特に英会話は音で覚えるべきなのに、日本の英語教育では、そこに力を入れていないことはわかっていました。英語を耳から覚えられるような方法が、何かないかと思っていたのです。

私は、それより以前に「英語で歌う日本の童謡」というCDで、日本の童謡の英語訳を手がけたことがあります。そのときに思ったのですが、どこの国にも童謡はあって、アメリカ人でもフランス人でも、彼らの国の童謡の出だしをちょっと歌ってあげると、続けて歌ってくれる。日本人なら、「どんぐりころころ どんぶりこ〜」と言えば、「お池にはまってさあ大変」と、すらすら出るんですよ。でも、「この歌を最後に歌ったのは、いつですか?」ときくと、「さあ、40年、50年も歌ってないですねえ」なんて言われる。

童謡は、不思議と忘れないんです。メロディーも歌詞も。小さい頃、1歳未満から4、5歳くらいまでに歌で覚えたことは忘れない。これを英語教育に活用しない手はないですよね。

それじゃあ何を歌にするかと言うと、フレーズや単語ももちろんですけど、発音を覚えないといけない。ポイントは、日本語にない音です。これをマスターしないと、絶対に通じない。

たとえば、道を教えるときの「turn right」。日本語式に「ターン・ライト」って言っても通じるだろうと思うけど、これがどういうわけか通じない。指差せば別ですけどね(笑)。

まず「ターン」と「turn」は違うし、「ライト」も「right」か「light」かわからない。「turn light」と聞くと、「電気をつけて」って言ってるみたいですからね。「ウォーキング・ゴー・ストレート、ターン・ライト」って言ったら「まっすぐ行って、電気をつけろ?何を言ってるんだ?」と混乱しちゃう。

でも「turn」が発音できれば、「ライト」でも通じる。「LとRの発音が違うけど、右に曲がれって言ってるんだな」と思ってもらえる。逆に、「ターン」がカタカナ発音でも「right」が発音できれば通じるんです。

だから、どうしても小さいうちに「R」や「turn」などの、日本語にはない音をたくさん聞かせて、覚えてもらいたかった。これは文章では、何百ページ書いても説明のしようがない。やっぱり歌がいい。そう思ったんです。

 

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2.「やさしい英語のうた」を自分で作ろう!
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