友人と話をしていたら、お互いに「いま何をしてる?」という話になった。

彼は、知り合いの会社に雇われて、けっこう楽しい仕事をやっているらしい。接待費もあり、行動も自由。それでいて給料もらえるから幸せ!

なるほど〜!

巷では定年を迎えて、ショボクレている若老人が目立って来ている。彼らは、奥さんから家にいないで!なんて言われて、背中にバッグを背負って、東京ならデパ地下あたりをウロウロ。確かにデパートの中は快適な環境だと感心する。冷暖房で、いつも温度は適温。外の(我が家のでもある)温度とは比べものにならないほどの快適さだ。

食べ物も、あまり選ばなければ試食もさせてくれるし、店員も親切にしてくれる。地下から屋上まで移動していれば、あまり目立たないので気楽だ。

それにしても、彼らは可哀想だ。顔を見ても、どことなく締まりがない。つまり仕事をしている顔になっていないのだ。こんな日が、来る日も、来る日も続くと思うと、心から同情をしてしまう。

それに比べると、友人は幸せだ。毎日、やりたいことをやって、仕事で美味しい食事もして、しかも給料ももらっているのだから。

そんなことを連想しながら、ふと、自分のことも考えてみた。友人とあまり年の違わない私だが、幸いにデパ地下族とはなっていない。それどころか、最近の私は大忙しなのだ。ゆっくり寝転がってテレビを観る時間もあまりない。

「まだ、ヘンリーおじさんで忙しいの?」と友人が訊いた。

「iPhone や iPad で見られるアプリ用の原稿を書いているよ」と、私。

友人は、感心したような声を出して、「そういう複雑な、新しいモノは苦手なんだ!」

『電子書籍』なんて知らないようだ。これからの出版業界がガラリと変わってしまうことには縁遠い世界にいるらしい。

私は、いつでもそんな変革期の最先端にいられて幸せ者です。